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詩人:甘味亭 真朱麻呂
お母さんが名付けてくれた名前
この先も変わることはないから
変えるつもりもないから僕はこの名前と一生一緒にずっと歩いていくんだろう
誰より近く寄り添って
人には誰にも名前がある 僕にも名前があるように
名前のない花がないように まだ名前のない赤ちゃんにだって名前を付ければその名前がその赤ちゃんの一生の名前になりこれからをその名前を抱きその名前と共に生きて歩いていくんだ
名前のない命には名前を付けただけでほら当たり前だけどその名で呼べるね
やっと呼べるね
名前がないんじゃ呼びようがないじゃない
いつまでもねぇとか君じゃさみしいからね
まだ知らない人の名前 名前を知ることでそれだけでその人を名前で呼べるし友達にだってなれるのさお互いに名前を教えあってそのお互いの名前で呼び合って笑いあったりしてそれだけで楽しい名前を知ることから人とのつきあいは始まる出会いを果たしたら名前をまず聞くべきなのさ
人はその名前を一生名乗り いやならば変えていけばいい
後ろめたさがないなら
死んでゆく人たちも最後までその名前を手放したりはせずに
その名前が自分の名前だと素直に受け入れ抱きしめている
それも当たり前に
どんなに悲しいときも
どんなにつらいときも
この名前はそばにいて僕の名前は確かな存在をいつも示してくれたしその名前を君が呼んでくれる
たったそれだけなのにやさしさあふれ
なぜだか心が暖かくなれた 心からこの名前を愛しているけど名前を誰かから呼ばれるたびにその名前への愛情は日に日に増して行ったのさ 今も増し続けてる この世での僕の名前を付けられたあの日からきっとなんとなくでも僕はわかっていたし気づいてた
この名前が僕の名だなと偶然みたいなことが一番僕を喜ばせていた 思えばまるですべて偶然のように一致していたとても偶然とは思えないような事ばかりがいつも