詩人:まとりょ〜鹿
いつも夢に見る
とても目覚めの悪い夢
名前の由来を
作文で書かされた時
“わからない”
そんな一文を名前の横に添えた。
不真面目だと
あの時先生は言った。
仕方ないですよ先生。
誰に聞いたって
僕は自分の名前の意味
わかる筈なんてないんですから。
僕は気まぐれの星の元に生まれ
親と呼べるモノは純粋な気まぐれで
僕を適当に呼んだ。
大人になったら
僕は恋をしないだろう
それは本当に残酷で
僕のような気まぐれを生み出してしまうからだろう。
幼いながらに知った
恋と愛の違い。
母は僕を愛してはいない。
父は僕の存在すらいない。
寂しいと手を差し出しても
救いの手など降ってはこないから
僕は気まぐれに余った手を
ポケットに仕舞い、背を丸める。
気まぐれの星は
至ってシンプルで
僕は是ほど残酷で
悲しい事を怒りに…そして、
悔しさに換えて
今日も深く呼吸をするんだ。
あんた達の気まぐれに
もう心底飽きてしまったんだよ。
気まぐれの星は
至ってシンプル。
気まぐれに死期を
待って生きる。