詩人:どるとる
舞い落ちる枯れ葉
色あせ そして
季節は動き出す
出発の合図なんて
塵ほども聞こえないけど
僕は知っているんだ
ここからはじまり
そして
ここで終わること
裸になった木々が
雪で埋もれれば
まるで
服を着たみたく
見えるんだ
ここははじまりの場所
そして終わりの場所
枯れ葉が舞い落ちるようにそれははかなく終わってゆく物語
ページを捲るように
ページを送るように
それは繰り返される
はじまっては終わる日々の川
その流れ
けっして緩やかじゃないけれど
それでいいんだ
そんな気がするから
僕は並木道
帰り道の途中
目を伏せて
小さく手を振るんだ
さよならの場所に
人と人が出会うように
人と人が別れるように
はじまりの場所は
終わりの場所になる
その時が来てしまえば
だから暑さも彼岸まで
寒さもきっと
忘れたころに和らぎ
やがて過ぎ去った季節をしのぶのさ
暑さを呪い
寒さを呪い
振り返れば
結局名残惜しくて
涙を流すんだ
たとえば
冬の道の途中
白い息を吐いて
歩いてる今も
やがて
あとから考えりゃ
寒いけど
楽しかった
そんなふうに
人は振り返りぎわ
遠く思い出す
ヶの季節。