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詩人:山崎 登重雄
砂上の楼閣に言葉を積み上げて
あなたを愛していると
ささやき続けよう 日没まで
真夜中に祝福を吐いても
無に喰われて咽が渇くだけだから
深紅のワインが呆れるほど必要
極上の嗅覚で穴場を嗅ぎ当てて
あなたを愛していると
むさぼり続けよう 夜明けまで
互いに吐き出した毒が
陽に焼かれて悪臭を放つだけだから
辛苦のマインドが嘲るほど多弁
冷たいから二人で浴びる
白い目と嗚咽の聖水
何を洗い流したか悟らせやしない
友達以上うずもれて助からない
砂の中に宝箱を隠してまどろみ
こぼれ続ける言葉で舐め合って
よく似たヘソの緒に巻かれて
あなたと螺旋で絡み合いながら
こぼれ続ける雫を啜り合って