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詩人:どるとる
誰かが描いた筋書きの上に
僕らは書き足していくよ まったくオリジナルのストーリー
枝分かれしてゆくように本編とは別物のイレギュラーストーリー
機械まかせの時計仕掛けの世界で アナログに頼るのはもう古いのかな
美しい感情を
僕は捨て去れない
素晴らしい原風景を
道は悪くても君と文句こぼしながら歩いていきたい
僕はまだ死なないから
数値化された感情に
未分化のままの優しさに何が救われるのか、だからだからあらがわずにはいられないんだよ
いつか誰かがが見ていた空はやがて空爆で赤く染まり
戦争の悲惨さを伝えるため時をこえて現在写真はあちこち散らばって 僕の目にこうして簡単に映ってる
誰かが築いてきたからこの世界は平穏を保てるのに
少しずつ
進化していくその様を見たとき僕は醜い言葉を吐かずにはいられないんだ
こんなデジダルな世界にゃ人のぬくもりなんて冷たく見えてしまうよと
首相も次から次へと変わり
法律も次から次へと変わり
何が大事なのか
本当の何かが
忘れ去られる
現状に嘆く人
この街にどれくらいいるのだろうか
常識なんて かやの外で
守るのが逆に おかしいことのように
いつでも悲しいニュースは事欠かない
僕らが見ていた
未来はきっとこんなんじゃない
鳥たちも獣たちも
きっとこんな僕らを軽蔑しているのさ
素晴らしい世界は
みんながみんな
仲良くしていれば
それだけで築けるのに
こんな世界は嘘っぱちだ
常識や法律なんてあったって人の狂気を抑えられなければただの立て看板さ
立ち入り禁止の看板なんて蹴り倒されて
すぐに犯される常識
素晴らしい世界は
僕らが求めていた世界は今 所在もわからないくらい
ここにあるのに
ここにはない
誰かが築いてきた
世界を
誰かが打ち崩す
壊れていく僕らの
常識の形
乱れていく世相
それでも僕はひたすら人をつづける。