詩人:甘味亭 真朱麻呂
過去へ 過去へ
想いを馳せていた
ある時 ある日
言葉を連ねてた
いつか今日という
日さえも時の波は
違えなく過去へと押し流すだろう
そうして夢から目覚めたばかりのようなぼんやりした気持ちで
僕は状況を把握できぬまま日々をいくつも見送る せいぜい気付いてるのはその時の空の表情に何かの昨日とは違う見えない曇りが見えたこと 心で感じた事くらいかなあ
昨日とは違う今日の僕
今日とは違う明日の僕
そして そして またも 僕は 僕は生きてゆく 今日は今日で今日なりに何かを知り得る
それぞれの今日によって様々に自分を変えながら 見た目にはわからない中身の光の加減を心は感じ取り微妙にその形を変えるのさ 気持ちとは日々 変わるもので 歳をとるたびに 色褪せていく 何かを知るから 涙も思わずに あふれてしまう 日があるんだ 時があるんだな 流れゆく日々は全て いつか過去になり 流れゆくその日々は やがて過去として 遠く思い出すんだよ いつか忘れていくようなそんな遠い未来へいつも想像の中で架空のものとして葬ってまるで存在しないもののようにしか思ってなかった遠い未来がすぐそこに今は気付けば近くにある 手を伸ばさなくたってふれられるような もうその中にとけ込んでしまってる住み慣れた生活の中に僕は何ら違和感なくすっぽりはまっているのさ もう慣れて最初の不安さえどこへやらで見えないものにあんなにおびえていた昨日とは全く考えられないくらい 無理もないけれど 変わりすぎなくらいなんだ だってこんなに時に身をまかせ なんの不都合もなく楽しんじゃってる 笑えている未来だから…サビシくって サビシくって あの頃あこがれの中でしかった幻が今は普段のように当たり前に目覚めた僕を出迎えてるから不思議だねぇ 不思議だねぇ何故かあの頃思ってたより淋しさはないけどその代わりの空しさに溜息が出る ああ。