詩人:トケルネコ
砂塵たちへ……
弔いはいらない
炎は歌を印す
君だけは望みを叶えよ
大気はオトガイに滴る
見たのか
多くの屍の乾いた腕を
その白い指先を
砂塵たちへ……
弔いはいらない
嘆きは穹へ
舞い上がる炎の如く
お前の行方は私達が示そう
だからもう
その目を開けよ
行く宛てが無いとただ震える
その口を閉じよ
景色のない砂漠に埋まろうと
この指の先を進めばいい
私たちが行けなかった
行く術を永遠に失った
あの星と陽の瞬く地平へ
だから砂塵たちよ……
墓標はいらない
後に続く数多の足跡が
それこそが
私たちを安らかに眠らすのだから