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[121866] たったひとつの同じ空

詩人:甘味亭 真朱麻呂

涙を流すときは悲しいときかうれしいときのどちらかだろう
僕はただ何気ないやさしさにも涙を流してしまうこぼれ落ちる涙にただ身をまかしている 震えながら
今日という日もやがて時を経て終わってしまうけど
きっと僕は知っている
窓の向こう側の夜空いっぱいに広がる星々が伝える
何気ない場面や些細な
物言いに笑い転げた
今日という他愛ない一日だって永遠に消えないで刻まれるのさ 心の中に 胸の奥にいつも思い返すたびきらめきを放つ思い出になる

いつの日にか今日という日を思い出して 涙してしまう日はくるのかなあ
そのころにはちゃんと思い出せるかな
ずいぶん時が経っているから白髪交じりの 誰かなどみたくもないけど写真の中の笑顔なんかよりもずっと素敵なイメージが教えてくれるさ
そこにいたことを
その証を 僕に

思い出せるように
ちゃんと刻まなくちゃね この記憶を永遠のアルバムの中に
夜空を見上げてさ
幻のように過ぎ去ったあの日々を もう一度だけ よみがえるよ今夜よみがえらすよ

いつか絶え間ない遥かな時の行く末に
このまま飲み込まれ
ただこみ上げる想いに身をあずけてる
いつかこの身体消え去っても証は残るさ

僕という存在がいたということは 歳を重ね日を追い老いていく自分を見るたびに悲しくなって 思い返したくても過去の自分と今の自分を重ねるにはあまりにも時が経ちすぎて それは残酷なほど悲しい現実を言葉じゃない何かで伝え僕の心に映し出す それは輝いていた自分の若さ きらめきの真ん中にいたあの日の自分をうらやましいと愚かにも涙ながらに想ってしまうから 振り返るにも勇気がいるものでだんだん歳をとった自分が振り返るたび年老いていく その切なさとやり切れなさにいつも ため息もれて それなのにね当たり前だけれど今見てる空も未来に見る空も全く違わない同じ空なんだね。

2008/02/28 (Thu)
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