詩人:どるとる
笑ってね 嬉しい時には
泣いてね 悲しい時には
気持ちをごまかさず
偽らず 素直に生きてね
大人になるとね 感情のコントロールが試されるんだね
簡単には泣いたり笑ったりできないのがつらいね
子供はいいよね
好きなときに
泣いて
好きなときに
笑っても
かわいそうだとかかわいいねって
文句も言われずにすまされるから
でも せめて 君のまえじゃ笑っていたい
嘘だけど 笑ってたらすぐ君は僕の笑顔の中に隠れてる悲しさを見破って
泣いて 抱きしめてくれた
あの夜おぼえてるよ
心の中で笑うのが本当の笑顔なら
表情なんて必要なくなるだろう
だから 感情隠して
気持ちを偽るなら
笑顔も泣き顔も
すべて無意味さ
人間には感情があるから泣きたいときに泣いて笑いたいときに笑うべきなのに
今日もまた
笑うべきときに
笑えず
泣くべきときに
泣けず
悲しいのに笑っていたよ
嬉しいのに黙ってたよ
感情は檻の中
こんな自分は嫌いだ
死んでしまえばいい
光と影の中を生きる日々
本当の気持ち偽るなら感情はなんのためにある?
本当の笑顔は心の奥
本当の涙は心の奥
嘘っぱちのつくられた感情が僕を動かしている
腹話術の人形みたいに言われたことだけ
言われたとおりに繰り返す
僕だってやりたいようにやりたいのに
笑いたいとき
笑えない
泣きたいとき
泣けない
こんなんじゃいつか壊れてしまう
そんな今を抱えて
見えない壁にはばまれて明日が見えない
本当の心はここにあるのにどうして自分に嘘ついてまで僕はむりやり笑うのかな
むりやり泣くのかな
消えない疑問が
沸騰したお湯のようにいくつも湧き上がってくる
本当の気持ちは
蒸発したように
いつからか
影をひそめて
仮の僕をつくりだした
笑っていさえすればそれでいいピエロの僕が愛想笑い
振りまきながら
笑ってら。