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詩人:高級スプーン
揺れる左足の爪先
小刻みに震えている
私の思いとは裏腹に
静かに
けれども確かに
不確かに動いている
もうやめようか
事態を深刻に考えるのは
侵されていく脳
膿が波打ち溢れて
悪化していく
これ以上悪くは
ならない程に
悪化していく
退化していく
されども進む
私は進む
よちよちと
途方にくれながら
私は進む
ルルララルララ
ルルララルララ
アーアアーアアアー
止まる日が来る
他の全てを
片付けてしまっても
一つだけ離せない
たった一つ
ただ一つだけ
醜く可笑しく
奇妙で笑えない
それでも
僕は離さない
もどかしく
恐ろしく滑稽な姿で
君を離さない
壁一面に咲くのは
なんとも
あっけない話