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[142095] キッチュ

詩人:剛田奇作

屋上のベランダの窓に
オリーブ色のペンキでいっぱい太陽を書いたの

あなたはきっと
これじゃただの水玉だねって笑うわね

錆びたベッドで
白い青年の肩にキスをしたとき

あたたかな夢は覚めることを知った

イルカは
水面下からそびえるビルを見上げて

差し込む太陽光線と握手するの

今日も空色の伯爵婦人が
片付かない私の部屋に泊まりこんでる

彼女は私のレコードを好き放題に聴いては

故郷のお母様に押し花入りの手紙を書く

明日の零時にね

きっと彼女は自殺をするわ

あなたは止めにくるけれど

きっと

間に合わないの

キッチュな置物でいっぱいの私の部屋




2009/04/09 (Thu)
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