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甘味亭 真朱麻呂の部屋  〜 「第二の死」への投 票 〜

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[122645] 第二の死

詩人:甘味亭 真朱麻呂

人は一生で二回死ぬといわれている
まず第一回目の死は寿命や病気または事故でのいわば人生の中での普通死
そして第二回目の死は人から忘れ去られて自分のその存在までもが死んでしまう 記憶からの存在の消滅
人々の記憶からさえ消え去ってしまうことで人は完全にこの世から消えいなくなったも同然になる
まるで最初からいなかったかのように自然に時代が流れあったはずの存在は過去の存在からついに無になる 気付けば誰も覚えてはおらず誰もその人のことを考えることもなくいずれは時代を生きた人々は全て次の時代の人へと代わり取り払ったような静寂が訪れやがてその内に待ってましたとばかりに明るさを取り戻しまたそんな事をいつまでも考えてはいられないと想うだろう
いわばこれは人間の隠れた宿命なのだ
なにをいったところでそれは全てきれいごとでしかなくなり
きれいごとにしか過ぎなくなる
それは仕方ないことだからやむを得ない 何十年かののち私は今は生きているがいつかはこの世と別れをすることを忘れているから 時折思い出して忘れようとする気持ちも分かるが そういった紛れないいつかやってくる変えようもない事実も厳重に今こうしてまだ若くいられる生きている今だからこそ受け止めるその気持ちがまだあやふやな部分があるが
それは若いからこそ考えるべきことであって考えられる故のことなのだから
いつかそういう自分という世界の終わりにも等しい第二の死のことも考えなくてはなるまい 若いからといっていつまでも若作りをしてはいられないから 考えることもなく若さをなくす前に考える必要があると思う 時代は一本にどこまでもつながっている その遠い途方もないくらいの果てしない長さを考えたらひとりの人間が生きる寿命の短さなどは無にも等しいくらいだが 短い人生だからこそ何かを与えられた限られた時間の中で自分がはたしてなにが出来るかを考えその範囲

2008/03/11 (Tue)
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