詩人:どるとる
あてどない旅だ
行き先なんか知らない
明日の予定など
面倒だからわざわざ立てない
雲行きはいつも
あやしいけれど
いちいちこわがりもせずに
僕は今と向き合ってつもりだよ
手のひらで隠した
悲しみの大きさは手のひらの隙間からこぼれる
隠しきれない涙が克明に物語る
宛のない航路
気まぐれに進路を変えてはまた逆戻り
白い帆は少しずつ
時を重ねるごとに汚れてゆく
そして
孤独という名前の宇宙の中で僕は叫びつづけるのさ
救いなどという大げさなものじゃないけど
僕にしかわからない痛みがはたして君にわかるのかな
でも君が見せてくれる優しい笑顔は僕の最後の光
どんな闇に手招きされても 君に照らされてるから
僕は生きてる
夢も理想も 愛もぬくもりも正直くだらないものと思っていた
だけれど君に出会ってから少しはわかった
不器用だけど
少しずつ笑えるようになった
それはおごそかに
ひどく繊細に
僕の心を揺り動かす未知なる光
この僕の瞳にうつる景色と君の瞳にうつる景色の相違点と共通点を探す日々
永遠であれ
答えなんか見つからないでも構わない
このまま曖昧に
僕らは愛し合うだけ
窓の外に広がる夜を
見つめていると飛び立ちたくなる
君は夢の中で
僕と大空を羽ばたく鳥になるのさ
暗闇に閉ざされた宇宙はやがてひとつの出口を僕に示した
永遠なんて僕だってないものだってわかってるけど君といるとそんな概念さえ
どうでもよくなって
永遠でも一緒にいたい そう思える
そんな気持ちにしてくれた君は僕の全てだ
先のことなんかわからない
いつ
どこで
気が変わるかもわからない
でも君を傷つけることはどんな罪より重いから
多分僕は君と死ぬまで一緒にいるよ
立ち止まる風の中
夜はどこまでも透き通って僕の嘘さえ見通すよ
嘘なんかつけないね
僕も君の光になれたならいいな
ささやかな愛の唄。