詩人:どるとる
しずんでいくのさ
深く澱んだ闇の中へ
言葉はもういらない
ネットの海で
たたかれて
たたかれて
傷だらけの僕のうたは死骸だから
文字通りネットの墓場へ葬る
はじめてやろうか
僕の擬似葬式
言葉は死んだ
僕は死んだ
詩人は死んだ
ならば
僕の今までのうたは全て死人の創作物か
寄ってらっしゃい
観てらっしゃい
僕の命の詩
誰かが踏みつけた
足跡つきのうたたちを
しずんでもしずんでも這い上がってくるのさ
沈められたときよりずっと輝いて
沈められたときよりずっと美しくなって
沈没した船の中の財宝みたいに
時を経て蘇るんだ
誰の詩より
どんな詩人が描く世界より
素晴らしいうたになって
でもきこえないんだ
僕の奏でるうたは無音のメロディだから
でもきいてください
心で 感じてください
耳をすませばきこえるはず 深い深い海の底から
屍となってもまだ生きたいと願ううたたちの声が
きこえない声でうたっている。