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[122674] 死を待つだけの人生

詩人:甘味亭 真朱麻呂

恋のひとつさえも知らないのになんて
通る人通る人がつぶやいている交差点
涙をいつの日か流せなくなるくらいに
死ぬことさえ怖くなかったあの少年の瞳が
今じゃこんなに廃れている 見えるものはただ残酷なまでの時の流れが教える
ささやかな君の慰めの言葉さえあの頃の僕には聞こえずにいた

なにもこのまま
聞こえなくなればいい
なにもいっそのこと
見えなくなればいいと
思ってしまった過ちに
僕はだいぶあとになってから気づきました

遠ざかる記憶の片隅にある奇跡
ひっそり輝きながら僕の胸に落ちてくる
手のひらに吐き出したら少し
僕のこの胸で小さく響いていた

いくつ歳を重ねても
いくつ夢を抱いても
いくつ今を暮らしても
見えないものがある
見えないものがあるんだという誰かの声が聞こえた 聞こえた
作り出した歌声が自然に作り出すメロディー
世界を彩る

僕がこの人生でなにをこれから学ぶのか
たぶんそれを知ることは愚かなことさ
僕をこの場所に生かして何の意味があるのか
はじめから生まれなければ死ぬ痛みも恐怖さえ何ひとつ知らなくて良かったのにと皮肉っては涙を流す

あなたの声がかすかに聞こえたら いつもなにもいえなくなる だって僕にはもう何ひとつさえ君にあげるものなんてないから だから僕はさよならの代わりにこの歌を贈る 与えられたものを 与えられた命も もう尽きがきた 僕はそれを上手く使えない 僕はそれを上手く受け入れられない みんなみたいに なんて繰り返しては誰かも泣くのかなあ その涙の重さの分だけ僕は深く沈み込む 無駄に日々が積み重なり折り重なる 無意味に人生がこのまま終わってしまうような気がしてる無駄に笑顔を無理やり隠してるつくり笑いさえも出来なくなったんだ街の小さなこの窓から夕陽を眺めるだけで胸が熱くなるのは何故かな。

2008/03/11 (Tue)
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