詩人:甘味亭 真朱麻呂
絶え間なく頭の中リピートされる
繰り返し繰り返し流れ続ける映像
何度も何度も終わる予感さえもない
あの日と今日はつながっている
だからたぶん僕はずっとその道を歩いてきた
君がいる世界と同じこの道を
だから忘れられない記憶に張りついて
植え付けられたみたいに記憶に巣くう
不安の虫がまた騒ぎだしたら君のこと
また思い出しそうだ
その前に君の全ての記憶消さなくちゃ
あの愛らしい横顔も今では明日より先のずっとその先さえの日々さえも焼き焦がす未来の僕をだめにしてしまう記憶の障害になるから
気付いたんだ やっと
気付いちまったんだ
こんなに愛したのに君を忘れなければならなきゃいけない
そんな事態に持ち込んだのは紛れもなくこの僕だという事実を飲み込んだらもう忘れようか 僕よ
たぶん一生かけても
忘れられない 君のことは記憶に鮮やかすぎるから 焼き付けすぎたから
あの時はそんなこと
想いもしなかったからね
最期の最期でなんだか寂しい結末を迎えた期待はずれの物語 シナリオはバッドエンドへ台本を読み上げるみたいに進むよ
ふつうならば途中でなんらかの助け船が出て運命みたいにやり直そうという結果にまた持ち込まれるのだろうけどそれもなく ただ滞りなく全て今という寂しい過去に流れてしまった
孤独を作る 消せない記憶の障害になって僕を悩ます今はただの不安さ ただだけど悲しい不安さ
涙になってやがてその涙はついには今の不安になったんです それが今なんです 悲しいだけのもどかしい過去を抱いたまま残ったもの 痛々しい 見えない心の傷 明日もまた続く障害をぬぐい去るための忘れるための悲しい日々が こんなはずじゃなかったのになぜかこんな結果で僕にあのころでは到底考えつかない未来が僕を待ってたよとばかりに横たわっていた これが僕に与えられた最後のもう一つの結末の舞台裏。