詩人:魅依
少女は近所から
冷たい視線を
うけていた
あの家の者は
おかしいと
虫を見る目
で見られていた
少女は哀しんだ
表情は沈み、
作った笑顔しか
出せなくなった
冷たい視線を
ぶつけながら
挨拶する人達に
向けて、
少女は必死に笑った
“また笑って欲しい”
“また、”
“また以前の様に。”
そんな少女の願いは
届く事なく
周りの人達は
足早に少女の前から
立ち去っていった
少女は1人
歩いた。
この日初めて
空から白い
雪がふり、
少女の前を
通りすぎた
それは
少女の見たかった
白い雪だった
しかしその雪は
少女の願う雪とは
違う雪。
少女は寂しく
俯いて
小さな声で
歌った。
少女の口から
零れた歌は
風に
寂しくかき消された
少女は願った。
“このまま、雪が私を消してくれたらいいのに”と。
(だって)(そんな冷たい視線を受けて今を生きるのは)(悲しいから)