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[163886] 一億万人の瞳の景色

詩人:どるとる


ずっとここにいて
いいんだよ
優しい日だまりのような絶望が
僕に言うよ
平凡が何より幸せだって

規則正しい狂いのない時計回りで時間が進む、鈍い音立てながら
それをもう何周も繰り返すだけで誰かが生まれ 誰かが死ぬのです

それは悲しいような
それは嬉しいような
不思議な気持ちで
眺めてる 景色

だいたいたとえば
全人類が一億万人いたとしたら
その一億万人の瞳に映る景色のひとつひとつが永遠じゃなくて限りある景色だから 大切にしなきゃいけないんだよ

君が見てる僕や
僕が見てる君は
ほんの一部の
景色にしか過ぎない
誰かが見てる誰かや
誰かが見てる誰かは
ほんの一部の
世界にしか過ぎない

それぞれの瞳に映る明日が鮮やかな輝きを持ちますように
願って 僕は 手を合わすけど無意味なものだってことくらいわかってるからこそ手を合わす

歩いていこう
僕は僕で
君は君で

自分の瞳にしか
映らない
夢を
はしたない
妄想を
果てしない
イメージを

今 僕は抱きしめて
未来という名の
スタートラインに立って

出発の合図で走り出す

一億万人の悲しみ
一億万人の喜び
それぞれがそれぞれに感じる 様々な思い

すべて同じで
すべて違う痛み

さあ 今
僕と君は
背中を向けて
別々の未来へ
歩き出すのさ

一億万人の瞳は
いっせいに
未来を映し出す

どんな未来が
見えることやら。

2011/01/04 (Tue)
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