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詩人:どるとる
何もない部屋に
時計だけがひとつある
それは僕らの命の時間を刻む
大切な時計さ
重力に逆らって
赤いりんごは
宙に浮かぶ
そんな
夢の中
僕はいつだって
浸っていたい
現実の僕はさえない
サラリーマンだから
誰かに愛想笑い振りまくのもお世辞を言うのも
僕の本来の仕事じゃないのに
こんな安月給じゃ割に合わないね
時計が告げる
6時ジャスト
子供たちの笑い声も闇の中じゃ聞こえない
時計が告げる
さよならの時刻には
僕はここにはいない人だから
生きてる今のうちに
精一杯泣きたいよ
目一杯笑いたいよ
そしてカチカチと
時を刻む時計の針の音が聞こえなくなったら僕は夢の中
回ろう
踊ろう
喋ろう
笑おう
泣こう
怒ろう
空を飛ぼう
いろんな夢の中でも
君の声だけは鮮明に僕を現実へと引き戻す
ノクターンメロディー
目覚ましのように
遠い夜明けを呼ぶんだ。