詩人:どるとる
急ぎ足でやって来た冬に 僕の勇み足がじゃまをする
枯れ葉散りゆく 季節の終わりに 雪の気配感じ 立ち止まる
誰もいない 殺風景な部屋の中で ひざを抱え 僕は何を思うのだろう?
これから生きていく
たった独りきりの日々
途方もない寂しさが今さら募ります
期待よりも僕を苦しめてるのはずっと不安なんだよ
独りで強がり
涙隠しても
それは仕方ない
誰もそばにはいない
目を静かに閉じてはじまる冬
寒さは心さえも
凍えさせて
希望という
一文字を
かき消すように
上から下へと
降り注ぎます
心の中に明日を描いて
簡単にそれは
僕が裏切る
まるで裏切るために
描いた理想のように
描いた明日は
わざと僕が大げさに描いた明日です
冬の寒い部屋の中
暖房もつけずに
ただひたすら
描いてる
上手な笑い方
ただひたすら
見つめてる
変わり映えしない壁の模様
冬のデッサン
見えない雪が
心の中に
降り積もる
何も言わずに
何も話さずに
僕はただ
冬の終わりを待ちつづける
凍りついた
氷のような
日々が
溶けるまでは
ずっと
笑えないね
泣けないね
ずっとこのままだね
明日は晴れないね
黒い雨雲がたちこめて わずかな光さえも見えない
だから今はささやかな絶望に
静かに目を閉じて
神にでも祈ります。