詩人:甘味亭 真朱麻呂
消え去って行く時が突き刺さるように
僕の胸の奥に
まだ残っている鋭く深く刺さったトゲが
抜けないんだ
目に見えているだけの景色に惑わされて
いつも何も見えないまま孤独な空を仰いでいる 心にぽっかり空いたなくした恋の隙間をひとつひとつ丹念に埋めるように
いつだって 心の闇の中にふさぎ込むようにずるい言い訳重ね逃げる
飛躍しすぎた言い訳はそのうち悲しいラストを連れてくるゆがんでしまったシナリオはバッドエンドでグッドバイ
逃れ逃れて過去から今日まで来たけど 何ひとつ楽しい事なんてなかった だけれどあの日光ある正しい未来を匂わす道を選んでいたとしても変わりなんてなかった 意味もなく扉を開け閉めを繰り返してはまたつまらなないといいながらイラついたように必要以上にバタンと閉めるわるい僕
どこもかしこも静かなだけの性根の腐った枯れた花がこれが俺の限界なんだと勝手に決めつけ歌う歌は限界などこれまでと悟っただけの臆病者でしかないのさ
聴いてみないとその良さはわからない
メロディのない言葉だけの詩(うた)じゃつまらないように
その良さは君のよくいう完ぺきな形になってみないとそのあるべき本質は伝わらない それがよもや歌であるならば あるいは歌にする予定の言葉の集合体ならば
小さな段差にも気付かずに倒れてしまう日々を哀れにも再び生き続けるのか
妙に礼儀正しく刻んで行く時と見えない他人の果てしなき心の闇の巣窟(テリトリー)
絶え間なく明日(あす)を今日の景色に塗りつぶす前にちょっと踏みとどまる
今日も明日もただ変わらない景色だが 見えないところに違いがあり 運命の爆弾を街に仕掛けた
分散される 悪意
心の中でねじ曲がりはしてもかわいい
いたずらに踏みとどまらせた だけれど別にこれが良い悪いとかいうために踏みとどまった訳じゃない 今生きる意味がないのと同じ理屈で。