詩人:遥 カズナ
幸せ
書いた事が
直ぐに誰かに読んで貰える幸せ
新しい誰しも
幸せになれる幸せ
だれもいらない幸せ
だれにも分からない幸せ
そして
もうこれ以上は
わかりきった
言葉の繰り返しが
もう幸せとして書いては
嫌悪される幸せ
そうして
また
よみかえされる幸せ
もう苦痛の幸せが
幸せな
幸せと幸せに幸せ
幸せが幸せ
幸せ
まだ年端もいかない柔な骨格の隅に
打たれた痛みを感じ
もうはち切れてしまった心の切れ端の一つ一つを拾い集め、覆いかぶさるように全身で包んでいた
けれど風が可哀想に吹きすさむ
また何もかもが飛び散り
痛みも忘れるしかない
全てを拾いあつめるしかない
忘れるしか救われない
救われない