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詩人:甘味亭 真朱麻呂
通り過ぎてゆく季節の中でふと立ち止まり 深く息を吸い込み吐き出してみる
その時に思った何かは体中を駆けめぐりまた戻ってくるだろう やがて素敵な言葉に変わり輝いて返るのだろう
決して戻らない旅立ちは悲しみしか生まない だから僕らはまた逢おうとうそをついてまでも わざとじゃなく本心で言うのかな
いつの間にか 僕は退屈な日々に時間を削るのが慣れっこで
非凡な生活に心も身体も疲れ果て 財布の中身を確かめもせずに決まりきった明日を限りなく人は買いだめにする
そんな毎日にいつからかなってないか
いつからなったのか分からないままで
溜息ばっかりでしおれた花みたいだ
ドライフラワーみたいに水気のない
みずみずしさなくした今日にまた身をあずけ うつろな瞳を空に向けて何かつぶやく それは聞くも耳障りな愚痴のよう
いつか いつかと言ったまま それは永遠になってしまった
遠く遠く日々をさらい とうとうここまで来てしまったよ
またこんな風にして願ったあの日の自分との誓いを裏切りないがしろにするかな
いくつ今までそうしてきたかな 考えていた めずらしくまじめな影を潜めた横顔の僕で
窓からはいつものように陽射しが差し込み
こんなにもこんなにも世界はやさしいのに
何故だかそれと反し悲しみに暮れている僕
晴れ渡った空にこんな顔は似合わないけど
さりとて理由もなしに笑えるわけもなく ただ当たり前みたいに暮れゆく今日
矢を放つように瞬間で過ぎて行く
その一瞬の景色をいま打ち抜いて
僕の記憶の中に消えないようにと
刻みつけ思いを集めた矢で射抜くんだ
届かない夢の風船を打ち抜けなかったあの日は今や遠き幻
だけど取り返すことは出来るから まだ
だから急ぐんだ 急いでしまう 限られた時と知ってるから思わず駆け足になる どこまでも続く空を僕の色に染めて。