詩人:旅人モドキ(左利き)
最終便は遅れると告げられて溜め息をえぐる彫刻刀がざっくりと気骨を削り激するほどの心頭をなぜにたゆたう憂愁か蒼海にちりばめた古のほおばる筋書を漁っても貪ったはずの憧れはうわの空に吸いとられひとみに浮かべる美しい涙までも悩ましげ窮屈な蒸しぶろを脱してむかう源泉はうつろで転寝もせずに待ちわびる宵闇のお迎えは生ぬるい珈琲でさえ飲み干せない歯痒さがある