詩人:甘味亭 真朱麻呂
あれはいつだったろう
きっと遠い昔だ
二十歳頃に一人暮らしを始めた頃だった
たまには家に顔を出せよと
両親は言うけど
あれほど出ていけと邪険にしてたのに
今頃息子が恋しくなったのか
たまに顔をひょっこり出せば
迎え入れてくれる
帰る場所があるだけ幸せなのだろうけど
腑に落ちないのは
年を取るに連れて
なんだか切なくなってくること
僕が年を取るってことは
それと同じに両親も年を取るってことで
お別れが近くなることに繋がる
だから
そんなに残されてない
時間だから
僕は前より家に帰る回数が多くなったよ
最初で最後のささやかな親孝行かな
切ないね
一人暮らし。