詩人:タンバリン
この塔に登っていくと、
10階ごとにコンペイトウが貰えるんだ。
そいつは回を増すごとに、立派なコンペイトウに。
ある時、ある男がその塔を登っていた。
その男は随分高い所まで登っているのに
コンペイトウをみんな、周りの人たちに渡してしまった。
それでも、彼のコンペイトウは尽きなかった。
いつの間にか、キラキラ光るコンペイトウを持っていたんだ。
彼すら気付く事もなく。
譲れない意志を持ちながら、
手に入れてきた物をみんな、周りの人に渡す様な。
その物持ちの仕方、意志の持ち方。
そいつができれば決して持てる物がなる事はない。
それにまつわる、
この話。
でも、
きっと、それは。
誰のポケットにも…