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[123613] 誰が言ったか恋花火

詩人:まとりょ〜鹿

夜空に咲いた火の花

微か湿った地面に一人

宙を切るような衝撃に

すぐに心奪われる。

待ち遠しかった季節

繋ぐ真空の光

止むことなく高鳴る心


しかし問題は祭りの後だ。

散りゆく空は真っ暗で

それはまるで一瞬の事のように

目の前から消えてしまった。

湿った冷たい地面に
一人だと気付かされる

静まり返った空を見上げれば

より一層心は凍る。

待ち遠しかった季節
今は巡りゆく必然すら忘れ

塩っ辛い涙が伝う。


女はその場で暫く苦しそうに涙を流し
“またね”と清々しい背で街の灯りに溶け込み


男は暫く空を眺め呆然と去り行く人を見送り
“愛しい”と苦しみを含んだ背で静かに涙を流す。


まるで恋は一瞬で

花火のようだと人は言う。

2008/03/27 (Thu)
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