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詩人:甘味亭 真朱麻呂
瞼の裏に深く焼き付いてるあの日のさよなら
まだ忘れられないから こんなに胸が苦しいんだろうな
雨粒が僕のうしろをついてくるように
悲しみをずっと引きずって歩く
あの人だから許せたことももう他の人では許されないな
ぎゅっと抱きしめていた夜の切なさに
まるでおとぎ話にでも出てくる姫と王子のように揺れる月明かりに照らされて
時の揺りかごは変わらずいつまでも2人を揺らしていた
心の奥のそのまた奥のそれよりはずっと手前の方でまだ
描き切れてない君の完璧な似顔絵
うまく書こうとしたのに 途中まで書いてたのに
やっと完成に至るまでの長い時間も無意味になる さよならと交わしただけで
それがとても悲しくて
途中で書きかけの君の顔は僕がまだ知らない君のこと それだけを伝えてる
もっと一緒にいたら
残り半分くらいはたぶん知れたのに
君は僕じゃないだれかとこれからは語り合うかな 僕の知らないその新しいだれかと
さよならした瞬間僕と君は他人になり今までの全ても完璧なまでの白紙に戻りやがて立ち入れない立ち入り禁止の場所になる
その先を知るのは
自分という命が尽きる世界の終わりの日のように関係ないくらいわからない事かな
見え隠れする答と終わりを照らし合わす さよならする前に 僕の傘から手を離す前に
教えてよ 君が僕の君じゃなくなる前にさよならの意味を教えてほしい 黙ったままじゃわからないから
決して自分が悪くないとは言わないけど 傷つくよりも真実を知りたい方が正直なところでもう傷つこうっていっても傷のはいる余地は重ねすぎて残されてないし目立ちもしないくらい重ねすぎたよ
悲しみの雨が多すぎる 雨量はたぶん今年一番の大雨
察するところ 気分はただ深くそこのない言い様もないブルー
斜め45度の恋心
さよなら…別々の道歩き出す 傘を渡すから 返さないでいいこれからは