詩人:奏
たくさん雨が降っていた
たくさんモノを押し流した
ずっと家の中にこもって
窓から雨を見つめてた
3日目の朝外に出た
夜中までの雨は姿を消し
太陽が大地を照らしていた
大きな水溜まりが光って
青空を映していた
家の中じゃ見れない光景
触れることの出来ない美しさ
「たまには外に出てごらん」
大きな水溜まりは僕に
そう言っていた気がした
たくさん嫌なことがあって
たくさん心を傷つけた
ずっと自分の中にこもって
どこか遠くを見つめてた
何日経ってもこもってた
太陽が大地を照らしてて
大きな水溜まりが光ってる
その景色は遠かった
自分だけじゃ知れない光景
触れなきゃ分からない美しさ
「たまには外に出てごらん」
大きな水溜まりは言った
始めの一歩が怖かった
諦めるのも怖かった
自分を守る殻を破った
傷ついた心はそのままだった
それでも僕は触れてみた
大きな水溜まりが光って
青空を映していた