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詩人:甘味亭 真朱麻呂
僕だけがいやに年老いて行くこの時の中で いま
色あせていく今日というページが明日へとめくられる
また今日も眠りについたらもう明日になったのも同然さ
変わらぬ夜明けがつれてくる季節風 外にでないとわからない心地よさ
僕だけが年をとってる
そんな風に考えるのはよそう
たぶん時間が意地悪なだけだよ そうさ
朝はもう終わって
夜がまた訪れる
あなたの背中ばかり眺めてた日が終わる
眺めてたらいつの間にか終わってた
毎日だいたいそんなんばっかさ
願う事なんて叶うという確証なんて見えずないにも等しいから実情なんて目に見える幸せが限界
流されて行く時の狭間に窮屈そうに寝返りうつ君の姿
鏡に映る朝寝坊して寝癖をつけた僕の変わらぬとぼけ顔
ずっと 何処までも
続いて行く この日々がやがて終わりになる頃には こんな切なさ比にもならないくらいに僕は悲しいのかなぁ
なんて考えてたら君はあまりにも純粋で汚れのないきれいな目をするものだから僕は少しだけそんな事考えた自分を恥じていた
すぐ目の前 手を伸ばせば届く距離に
ほら 幸せの花が咲いてたことに 僕は
おそく気がついて胸の奥の悲しみの塊
両手で握りつぶす
バラバラと花をつぶしたみたいに悲しみの欠片が地面に落ちて気づいたら消えてた
僕の終わりは世界の終わりにも値する
けれどその悲しみ今はまだ味わわなくてすむから 先の話として片付けたらまた変わらない日々の流れに途中で脱線してたから加わるよ 君の歩く後ろから何気なくひょっこり顔を出し 笑う僕
「待たせてごめんね」
なんて言いながら
幸せ咲く今を そっと僕は包むように閉じたまぶた開いてさ 抱きしめる君のからだがかすかに未来への希望を感じさせるような始まりの匂いをただよわせてた
ずっともっと昔からの願いより大切な事に気づいた 春先の事。