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[125176] 1日の始まりと終わり

詩人:甘味亭 真朱麻呂

ぼくの出来る範囲の精いっぱいで 今
足りない頭をフルに使いながら考える
長い夜の始まりに
音すらない静かすぎる そんな夜に
目にも見えないなにかを見ようとして
それでもぼくの目に映るものはどれも似通った常識ばかり

「どっちもどっちだ」
なんてつぶやいて吐き捨てた言葉
せっかく学んでも身につかなければ勉強も何のためにしたか分からないね
夢が破れたらもう叶えるために走り続けてきた今までが無意味な時間のようにまるで思えてしまい叶わなかった切ない面影だけ握りしめ
立ちつくす夢のあと
もどかしい気持ちがただこの胸をふるわせていた そんな真夜中だった あのころのいつかの夜は
あのころより名前だけでも大人になった今になって考えてみれば
それはすべて幻のようで少し泣けてきたんだ

どんな言葉よりどんな気遣いより
大切で掛け替えのない愛を今この手に握りしめ歩いていたい
そう思う今 あのころより少しはまともになった頭で考える
誰かの悪口にも耳にさわる皮肉にも自分のあまりのばかさ加減に言い返せる言葉もなく
ただうなずいたり無視するばかりが精いっぱいで 今はそんな奴等への報復も出来なくって

通り過ぎて行く 時の波間に光るかすかな未来
いつの今でも 忘れずに抱きしめてる
変わらない思いは永遠にこれからもずっと それはそれのままで続いていく

自分だけの正しさを抱きしめてる
ほかの誰かには分からないかもしれない
だけれど決してわがままなものじゃない
そう、理論づける答えが今は見えるから

この目に確かに見えているから
今 今 今 ぼくは同じ歩幅と同じ歩数と同じ速さで歩き
流れ行く時に合わせてるつもりはないけど 進む時の方がぼくに合わせてる気さえするのもおかしいかな 小さく笑う頬に浮かんだえくぼが妙に照れくさいな

そう思う長い夜の終わりに。

2008/04/23 (Wed)
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