詩人:どるとる
降り積もる雪の白さに心まで白く染まる
今年の冬は寒さにも笑ってやれそうさ
それは君と呼べる人と出会えたからか
二人でわけあって飲んだ缶コーヒー いつもより甘い気がした
白い雪の上に寝そべり君と笑った
僕のロングコートの左のポケットの中君と手をつないだ
そのあたたかさだけで幸せだよ
降り積もる雪がまるで星みたいにキラキラ光っては僕らの吐息を白く浮かべさせる
ほら僕の心
ちょっとだけ
今 桃色に染まった
雪の白さと君のあたたかさで僕は赤く染まったよ
ほらかじかんだ両手を君がさすってくれる
これからの本降りはちょっといらだつけど
ポケットの中の握ってる手をこのままはなさせないで
雪よ もっと降れ
温度よ もっと下がれ
君が風邪ひかない程度にね
ほら降り積もる雪の白さに心まで真っ白
向かい合えば僕らの顔も真っ白
だけれどポケットの中は桃色
名づけよう
そんなぬくもり
名づけるなら
冬のポケット
ありふれてしまった
それでも僕らにはちょうどいい恋の形さ
ほらまた君の手が僕の手を強くにぎる
寒いんだね…
僕はコートを君に貸した
今度は君のポケットが冬のポケット
君のポケットに僕は手を突っ込み君と手をにぎる
あいかわらず雪はやまない
だけれどそれが何より嬉しいよ。