詩人:まとりょ〜鹿
帰宅する人に逆らい
西日差す坂道を一人
景色は綺麗で
スケッチに切り取れど
駅へ向かう足は憂鬱で
僕はこのまま群集に流されてしまいそうになります。
どんなに辛くても
一人が寂しくなっても
何時でも体を横たわらす布団があればと誤魔化し日々乗り越えてます。
雨が降り続いた日に君に似た人が
駅のホームで絵筆のように
湿った横髪をしなだらせつつ
まるでこの空のように泣いていました。
とても心にヒビが入ってしまったように
僕はただ一本目の電車を見送っていました。
なぁ 元気ですか?
そちらに春は来ましたか?
寂しくなったと電話をくれたら怒りますか?
なぁ 嘘でもいいから
寂しいよって言ってくれないか?
この街の音は騒がしくて耳を塞いでは
頭で繰り返す 君の名前と音
なぁ 此処にいるのが
僕じゃなく君だったとしたら
君はホームで泣いていたんですか?
梅雨なのかも春雨なのかも全く知れない
この街の小雨が要に冷たくて
会いたいと願っただけで、罪が増えるなら
僕はふるさとの絵を描いて
君の名前をその絵につけよう。
ふるさとは遠くにありて…。