詩人:あいる
君は憶えてるかなぁ
ボクは忘れたよ
水槽に泳がせたケータイ
溶けだした色
滲んだ液晶
死んだ魚の眼をした日々が
手放せなくて困ってるんだ
水が一滴
それで泳げると思った
袖まで染みて
ボクはストラップを離した
速度違反だ
時間は早回し
意識したら負けさ
依存してたのかなぁ
ボクは忘れるよ
空の水槽でしなる光
まだ創造しててもいいかなぁ
欲しがりなボクらは
揺れる水面
足から手から
明日にはどちらから
飛び込めばいい?
夜を抜けて息継ぎ
昨日は存在してたかなぁ
足りない部分は
明日見つけよう
たぶん、もう
立派すぎるくらい生きたよ
まだまだ明日は産まれるよ
水槽は溢れて
流れる水面
君が並べたパズルの街は
ピースが足りない
ブリキの城さ
切り取った思惑から
水が一滴
虹色のあの子