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詩人:甘味亭 真朱麻呂
心の寒さに語りかけてくる慣れ親しんだ孤独
単に悲しいだけじゃなくて僕は痛みを感じてる
それを我慢するために沢山の今日から目をそらし
その数だけ失ってきたものとそれと同じだけある僕には見えてるのに掴めない透明ですり抜けてしまう数ある夢
すべてのわがままを誰かに聞かしたい
なにもかも背負ったまま歩いて行こう
小さく笑い大きく生きていきたいけど
もう僕なんかの力じゃ前に進めないよ
一歩も前に進めないから その一歩さえ遠いのさ 今は 今は…限りなく
ただ悲しいだけならば良いのになあ
今はただその悲しみにさえ慣れてるから
そんな小さな悲しみならばましとも言える
悲しみにあこがれるなんて僕はなぜこうも失った時の向こう側を見つめ 時よ、戻れと無意味な祈りを捧げるように心の中願う?
さみしさ押しころして
許されないなにかを抱きしめ 今も 今も…揺らめく思いの影を踏みしめ歩く
小さくうなだれた肩
遠くで明日の僕が呼んでる 君と並んで
夕日の落ちる少し前のふたつのシルエット
右手だけで空に突き上げ君の肩に手を回し呼んでるけど
僕は行かない
別れるための旅じゃない 解ってる
「君のことよろしく」と涙を流し過ぎ去る日の僕は高台の道の向こうで呼んでる明日の僕を後にしてなにも言わずただ心の奥でだけど明日の僕も昨日の僕もふたりなにも言わせずさよならさせた 夕日の落ちたその一瞬で明日の僕は何故かわけのない涙を流すのさ
昨日の僕の悲しみが届くから
後も先も誰も知らない 昨日の僕しか知らない
知ることのない昨日の僕だけの悲しみがなんとなく伝わるから それがなにかは解りっこないけど
いま確かに僕は昨日の僕と手を合わせ
重ねるように眠りに落ちた夢の中で 一夜限りの話をするんだ 大事な話を
繰り返し繰り返し明日もずっとその続きを生きていく 明日も生きる。