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詩人:甘味亭 真朱麻呂
僕のこの胸を深く遠慮もなくえぐる悲しみが残す傷跡
今はただ幸せだなと片づけるためにあるのじゃないよ
今見えた小さな光 それは明日
今見えてたでも過ぎ去る瞬間の後にはそれはもう早くて過去の事さ
すべてすべて過去にしていく
すべてすべて無にしていく
何もかもがうろたえた僕を始まりに戻して行く
優しいだけでならば
いくらでも話せるよ
けどそんなんじゃままならない
いつも切羽詰まった顔で生きている
何故かしら 僕は僕の証残せずにいる
絶え間なく流れていく時の川の流れさえ
途中であまりの悲しみの多さにつまってしまいとうとう数滴すら流れなくなり止まってしまった
いつも僕のそばにいてね 次の悲しみにいつ見舞われるかわからないから
人生は 何もわからない 事のはじまりはその重大さを伝えてるようだ
話すのは同じ事ばかりだ ありきたりな事ばかりだ
言えるのも同じ事ばかりだ ありふれた事だけなんだ
いつの時代になったとしても
これからもそれから後もそして今も
今までだってそうやってきた
歯車が回るように
いつだって 完ぺきにプログラムされた機械のように誤りなどはなく同じ動作で繰り返す切れ目の入ったお口でおしゃべりをする人形ってだけ 地と肉を持つだけのただのアンドロイド
僕はアンドロイド
ただ組み合わされた何億ものプログラムに従い組み合わせられた常識に心を染めて
考えるのもおかしいかな
世の中に従事してさ
僕が知らないところでも 物語はその裏側では
とうの昔に始まっていた そうらしいねと呟き
僕は完ぺきなアンドロイドを演じるだけ
そんな世界の中でプログラムされれば増えるめくるめく感情と移りゆく季節と体中すべてに駆け巡るあったかい血の流れとを感じてる
なんとなく 気持ちの片隅や裏側でだけどね
変わり行く今に。