ホーム > 詩人の部屋 > 望月 ゆきの部屋 > あなたが恋をしているあいだ > 投票

望月 ゆきの部屋  〜 「あなたが恋をしているあいだ」への投 票 〜


[14557] あなたが恋をしているあいだ

詩人:望月 ゆき

四角い出窓にひじをついて
わたしは お空をみてました

ときどき 桃色の雪が
紛れこんではちらついたりして
世界は彩られたりしましたが
わたしは お空をみてました
ひじをついたまま

そのうち 水しぶきがいく粒か
窓の外にはりついて
東の彼方の海の真ん中で
魚が跳ねたのだろうなと思いましたが
わたしは お空をみてました
ひじはついたまま

こんこんと小さく赤い手のひらが
ガラスをノックします
返事をしようと窓を開けましたが
落ちた手のひらは
カサカサと重なってわたしを見上げておりました
それでわたしはまたお空をみてました
ひじをまたつきなおして

だんだんと目の前は白くにごり
お空もかすんでおりましたので
ほっぺをガラスにくっつけて
右へ左へ動かしますと
視界はキョロキョロ開けました
が 窓の外にもまた白は広がっておりました
思わず飛び出したくなりましたが
わたしは お空を忘れられず
ほっぺの形のガラスから
わたしは お空をみてました
ひじもそろそろ痛みます
わたしは お空をみてました


あなたが恋をしているあいだ

2004/07/10 (Sat)
ユーザーID パスワード
一言コメント  


- 詩人の部屋 -