詩人:どるとる
僕が明日もし
仮に死んだなら
誰も気づかないんじゃないのかな
そういやそんな人
いたような
いなかったような
そんな存在だったなら死んでも生きてても同じだよ
いつものように
お日様が昇り
いつものように
踏切が開いて
また閉まって
いつものように
信号が赤に青に変わり
何人もの人が道を行き交って
僕が死んだあとの世界も何ひとつ生きていたころと変わらず
同じなら
それはそれは幸せさ
遺すものも
残した悔いも
何もないのは
かえって幸せさ
なんだかそんなこと
考えていたら
悲しくなった
どうしてだろう
追い詰められて
行き場のない
人生なのに
生きることがやめられない
死ぬことが生きることより難しい
そう思う僕がいる
だからまだ生きていたい
だからまだ死にたくない
楽しいことなど
そうそうあるもんじゃないけど
生きていることが
無力な僕のできる
唯一の仕事だから
明日も僕という仕事をこなすのさ
テキパキとはできないけど ゆっくりゆっくり 慌てず急がず気をつけて
僕は僕を励ますよ
ただ、生きていることが難しいんだ
それをわかっているから 僕という仕事はなかなか捗らない。