詩人:フィリップ
久々に出た街角で
見たことのないカフェを見つけた
オープンメニュー
オーナー特製
火星コーヒー、と書いていた
次の日
もう一度僕は
街角へ出た
久々の街角
懐かしい、昨日ぶり
火星という文字が
水星に変わっていた
夕方刻
オーナーに会った
僕は
君を知っている
君も
僕を知っている
惑星の果て
銀河を超えて
ブレンドされる
愛の余興
コーヒーカップの中に宇宙
そこに浮かぶ、地球
僕を誘う
愛の香りが
紫色の一番星に
同調する、一瞬
たまプラーザ
アルデンテ
セザンヌ
惑星ブレンド
二人きりのバス停
到着したバスの排気音の中に途切れた
君の声は
「さよなら」の味をしていた