詩人:アルバトロス
ガキの頃
ずっと前を向いていた
前には親父の背中があった
いつも背中があった
たくさんの季節が
僕を染めて
たくさんの空に
僕は出会った
気がつけば
見上げた明日を
見下ろす昨日に変えて
僕は大人になっていた
見慣れた景色も
すっかり変わっちまっていた
でも僕は変わらずに
前を向いていた
親父は俺の後ろで笑ってた
だから俺は安心して
ずっと前を向いていた
ずっと前を向いていよう
さよならするあなたのために
ずっと前を向いていよう
これから出会う君のために
そんなことを考えながら
「僕はようやく
知ったのだろう
僕はようやく
生まれたのだろう」と
嬉しそうに呟いた