詩人:山羊
ショーウィンド
自分を映している
マッチ売りの少女
通りすがる機械的な風
身を切るよりも冷たく
憐れみを帯びた視線
心を灼いた
マッチに灯りを付け
幻に沈んでいく
マッチ売りの少女
真っ暗な都会に灯す
今だけは汚れも何もかも清められる気がして
マッチの灯
消えても
心の灯
消えなくて
消せなくて
冷めた目で
全てを見ていた
マッチ売りの少女
教会のステンドグラスの光り
世界を照らす唯一の灯に思えて
マッチに灯を付けないと幻に沈まないと
心が闇に
心が喰べられる
灯をつけないと
悲し過ぎる世界
電飾で煌めく道
マッチはもう・・