詩人:朧
この現世で彷徨う魂
姿と影で表される世
現世に未練を残留し
赤い着物を羽織う霊
和に人形を抱く黒髪
その少女に影は無い
死後に死ねない少女
その真実を語った…
豪邸に生まれ育つ子
その七年間の生涯は
残酷なる宴に散った
七つの誕生の日の夜
真相を知らぬままに
刃物が壊れるまで…
屍が塵果てるまで…
愛していた父の手で
滅多刺しにされた体
許しを請う涙の姿を
血に染まり散る体を
最後に少女が抱いた
人形だけが見ていた
恋を夢見た少女の夢
未練で現世を彷徨う
幻の人形を抱く霊魂
影の無い幽霊の少女
2005/01/21 (Fri)