詩人:ライカ
身が縮むような
寒い雪の日
君は珍しく一人でベランダにいた
「なーにやってんの?」
振り向いた君は鼻を赤くして
潤んだ目で
「教室の空気マズくて」
といった。
ふわふわ降る雪を
見上げる君
紺のブレザーに
白い雪が綺麗
長いまつげの横顔も
灰色の空
溶け込むように白くて
綺麗で
何を考えてるのか予想もつかなくて
怖かった
「うぉっ、さみぃーっ!」
突然叫んで
手すりに置いた私の手をいきなり掴む君
「熱吸収ーっ」
握ってきた手が
自分の手がすっぽり隠れるくらい
大きくて
骨ばっていて
少し震えていて
びっくりして
手をひっこめてしまった
「冷たいでしょ!」
って、怒りながら。
冷たい手の人がすき。
今なら両手でくるんで温めてあげられるのにな。