詩人:ヒビト
「話し方が、透き通るみたいで、とても好きです」
僕が君に伝えた言葉に嘘はないけれど、本当に伝えたい事は伝えられていない。
「この料理、すごく好きです」
君が作った料理だから美味しいんだ。「美味しい」じゃなくて「好き」と言ったのは伝えたい想いがあったから。
「服装、いつも綺麗だよね。その服のセンスが好きです」
好きって言う時だけ、敬語になるのは、緊張してしまうからです。
「今日は、本当に楽しかったよ」
好きって言葉を本当は言いたかった。「楽しい」では伝わらないよね。
「好きです」
一番伝えたい事は、こんなに短いのに。