詩人:梅宮 蛍
並列した文字に押し潰されて 私は海を漕ぐ浮かぶ月 あれは夜の塗り忘れはたまた あれはピンホールあの穴の向こうにはきっと小舟が一艘 波間に止まっていてそれが今 私として 焼き付けられているのかもしれない上も 下も 白いも 黒いもなにもかもが反転した世界で誰かが今 生きているのかもしれないその人は 何を思って私を撮影しているのだろうきっと やはり何かに押し潰されて ふらり 思い立ったのだろう