詩人:まろふに
川沿いの道 低すぎる空
圧し潰されそうになって あわてて駆け出す
まばらな人影を避けるように歩く いつからこの街に馴染めなくなったの?
冷たい風が運んでくる どこからともなく君の噂
真冬のまっただ中 ただ立ち尽くしてる僕のこと 哀れむように
明かりの消えた窓 錠の下りたドア
カギを失くしたフリして いつもの店に走る
酔えば酔うほど思い出してばかりなのは 隣のあの子が君に似てるせいなの?
冷たい雪が隙間もなく 窓をそっと白く染めていく
まるで僕の逃げ道を 悪気もなくふさぐように
雪はやみ 朝が来る この路地にも
なんて平等に 残酷に 時を運んで
冷たい風に雪煙は舞い 景色を少しぼやけさせ
求めては傷ついた僕らの足跡も いつか消えてゆく
朝から今夜のねぐらを 探してるような僕だけど
昇り来る朝陽に雪解けを信じて もう少し生きてみるよ