詩人:愛羅
あなたの名前を
アドレス帳から
消しました
“削除しますか?”
その文字が
とてつもなく
痛かった
だけど
救いのようにも
思えたんだ
あなたの名前がなければ
メールがこなくたって
当たり前でしょ?
電話しても繋がらなくても当たり前でしょ?
もう傷つかなくて
すむのかな
あなたからのメールを
またなくて
いいんだね
心の痛みはなくなった
だけど
これは何?
心に穴があいたみたい
力が入らないよ
何も考えられないよ
消さなかった方が
よかったの?
だけど他に
心の痛みを消す方法
なかったの
これでよかったのよね?
きっと楽になれるよね?
…楽に
…傷つかなくてすむように
…ケータイを開ける度に涙がこぼれないように
…あなたを忘れられるように
なれるんだよね?