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詩人:甘味亭 真朱麻呂
たった一回の人生を楽しみたいからさ
僕は君と一緒にこの先を生きたいんだ
このふたりならどこまでも行けると思うから
ちいさくうなずいた君はまだ目ざめてない
夢の中で
まばゆい朝陽が君を照らしたら
いつものように君に挨拶する
おはよう おはよう
言葉が部屋に響く
テーブルの上をはね回るように
君の心にやがて届く
そのキーのはずれた音色は七色に染まりながら やがて君へとやさしい声で話しかけるだろう
もう会えなくてもかまわない
その日がくることを願う
いつまでも子供じゃないから押し込められる悲しみは押し込めるよ
切なくたって 君が決めたことならば
世の中になぜだか従事できない
朝飯は抜きでもいい
元気なく 力なく腰をあげる僕
卵焼きがうまくできない
形にならないからグチャグチャさ
僕の生きる世界は
ラストエンドストーリー やがてすべてが終わりをむかえる
それは切実な問題
どんなもんだい
難解奇抜な自由な発想
ちいさく ちいさく
縮こまった背中に映る過去でのいつかの今日の僕とその気持ち
若草が揺れるように サイダーのあぶくがはじけるように 音もなく静かに事ははこばれる
おやつによく食べたポップコーンの銀色の袋がふくらむように
明日はやってくるのさ
だれのところにも
ラストという名のエンドがやってくるのさ
スタートした地点から遠くふりかえっても見えるものなど何ひとつとしてないけど
情けないくらいあいまいなストーリー
あれほどがんばってきた自分が情けなくって
そんな自分をなじる自分がいちばん苦しかったけど
今 ここでせっかく始まった旅をがんばらねばならない理由は特にはないけど
がんばらなくちゃ
少しくらい苦しまなくちゃ楽ちんな毎日じゃ生きてる喜びも判らなくなるような気がしたんだ 今もそんな気がしてるよ。