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[126448] 雪が雨に変わる日の夜

詩人:甘味亭 真朱麻呂

真っ白なシャツを虹の川につけこんで
染めよう 虹色に
飲み干してしまった切なさは僕の父親が他界した日以来だ

雪が雨に変わるように
そんな日の夜のように
雪が雨に変わるような
そんな数時間の出来事
僕を悲しく悲しくする
それなのにそこには
同情も謝罪も償いさえなく終わる、さ

あの日、僕の嫌いだった父親が死んだ日のように
なぜかせいせいするはずなのに
心は空っぽ
誰のせいでもなく
誰のせいにもならなく終わるから
心は空腹だ

なんとなく なんとなく
父親の遺影を眺めて
なんとなく なんとなく
手を合わす日曜の夜

そんな日曜の夜
心の両端に虹がかかる。そのうち不法投棄で山に捨てる16インチのアナログテレビも消した
鐘を鳴らした…

雨が雪に変わるように
それはただ当たり前に
それはただ自然なこととしてすまされる
いつもそんな感じで変わらない日々の流れが変わらないはやさで 目の前にあるのになぜか見えない時の川が今日も見えない川が流れ
聞こえないはずの川の音を想像しながら
聞こえるみたいに
僕も父親みたいにいつか いつかなんて
流れる時の音でまだ十分生きられる僕は聞くんだ
聞くんだ

たとえなんとなくでも
たとえ微かだとしても

雪が雨に変わる夜に
雪が雨に変わる日に
雪が雨に変わる日の夜に
雨がやんだ明日の朝に
目がさめるまでまだ
僕は雪が雨に変わった
世界のとある部屋で
今日を噛みしめている
永遠を感じながら
雪が雨に変わるように
少しだけ積もった雪を雨が掃除するように溶かすみたいに
雪は明日、だから積もらない
雨が全部夜から朝にかけて目覚めるときにはすべて溶かしきってるから
雪が見れるのはほんのさっき降ってたときまでだけだ
また降る日まで待つしかないから書斎でそのまま寝てた。

2008/05/17 (Sat)
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