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詩人:阿修羅
消えてしまいそう
どこにいても怖くて
雑踏
うるさい
ひと、人、ヒト、ひとのなか
埋もれてしまいそう
崩れてしまいそう
押しつぶされそうな
呼吸の出来ないまま
地に足のつかない
この乗り物は、
いったいどこへ向かうのだっけ
眠りたくない
起きたくない
同じことを考えながら
毎日同じ朝を迎えて
流れるように生きて
ここに残したい
私がここにいる意味を
残したい
どうして生まれてきたのかなど
大それたことはいいから
流れてゆきたくない
みんな、どうしてそんなに平気なの?
未来が見えない
贅沢だって誰かは云う
そうじゃない
そういう意味じゃない
流れるように進む人、ひと、ヒト
私は同じ生き物なんだろうか
毎日をやり過ごして、
一体どこへ行ける
どこへ行けるというの
ここにいたくない
ずるずると
引きずられるように流れる
私が通った後は
どこに残るの?誰がわかるの?
それでいいの?
明日もあさってもそれで?
淀んだ鉛のような空気を吸って
足を踏む誰かを恨んで
言わずともわかる
そんな空気が充満する乗り物の中
私は吐き気をこらえる
どこへ向かうの?
ゆらゆらゆれるその先に
何を見て、何も夢見て
どこへも行けないのに
どこかに行けとでもいうような悪意の中
私は吐き気をこらえる